アイヌ語児童教材

子供たちを対象に、楽しみながらアイヌ語が覚えられるような教材を開発しています。誰でも自由にアクセスして、ウェブ上で遊んだり、教材をダウンロードしたりすることができます。

ボードゲーム

このゲームはコタン「村」から出発して、いろいろなカムイ「神様」のところに行き、カムイから出されるイコラムヌカラ「試練」をクリアして、そのカムイにセレマク「守り神」になってもらうというゲームです。コタンに帰ってくる間に何人のカムイが守り神になってくれるでしょうか? 試練はみんなアイヌ語に関係するクイズですので、何回もチャレンジしているうちに、たくさんのアイヌ語が覚えられるようになります。

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カードゲーム

このゲームはふたりで対戦するもので、昔のアイヌの人たちの日常の生活を参考にして、カードゲームにしたものです。矢や小刀などの道具を手に入れ、それを使って狩りをして毛皮や肉を集め、それを和人の国へ持って行って交易をして、いろいろな品物を集めます。その過程で、最初は少年だったプレーヤーは、次第に村長にまで成長していきます。村長になって4つの品物を交易で手に入れれば、イオマンテ「クマ送り」をすることができ、先にイオマンテできたほうが勝ちというゲームです。詳しいルールはPDFダウンロードにありますので、それを参照してください。ひとりでコンピューターと対戦する「オートモード」と、ふたりで交互に遊べる「対戦モード」があります。

また、シートやカードをダウンロードして、A4の紙に印刷して遊ぶこともできます。カードのほうは普通の紙だと薄くて遊びにくいので、ボール紙などに貼ってから一枚づつ切り離すといいと思います。

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このアイヌ語児童教材は平成25-27年度国立大学法人北海道大学アイヌ・先住民研究センター「アイヌ・先住民との文化的共生に関する総合的研究」における「言語資料の記録・保存・資料調査及び教材作成に関する委託研究」の助成を受けて作成されたものです。

遊びながらアイヌ語が覚えられる教材を作るということで、ゲーム形式で楽しみながら学習できることを目標にしました。作成にあたっては、八重洲のアイヌ文化交流センターで開かれている、「親と子のアイヌ語教室」の講師である成田英敏さんと小笠原小夜さん。生徒の今井ノリ子さん、今井とわさん、今井あいさん、石澤清子さん、石澤伶奈さん、神崎千代子さん、神崎妃夏さん、神崎花音さん。アイヌ語上級講座の受講生である石澤藍さん。そして交流センターのスタッフである木原仁美さん、沖津翼さん、宇佐幸将さんの協力を得て、みんなで実際に遊んで見ながら試行錯誤して作り上げました。さらに、ボードゲームは中級版と初級版を作り、初級版では上記のみなさんアイヌ語の問題そのものを作ってもらいました。そして中級版では、正解の音声を、とわさん、あいさん、伶奈さん、妃夏さん、花音さんに吹き込んでもらいました。カードゲームのほうでは、BGMを酒井厚司さんに作曲してもらいました。

ゲームのシステム自体はおもに中川が考え、ボードゲームのイラストは成田英敏さんに、カードゲームのイラストは小笠原小夜さんに担当していただきました。また、ウェブ化、プログラミングにあたっては株式会社〼々およびリファクトに尽力をいただきました。このように多くの人―特に首都圏に暮らす大勢のアイヌの人たちの協力を得て完成したのがこの教材です。まだまだ発展途上ですので、これからも工夫を重ねて、アイヌ語学習にどうやったら役立つか、みんなで考えて行きたいと思います。