地域研究センターについて

地域研究センターは、2006年に千葉大学人文社会科学研究科の一センターとして設置され、その後いくつかのシンポジウムを主催しましたが、日常的な活動は行っていませんでした。2012年にそれを活性化させ、あらたに参加メンバーを募集して実質的な活動を始めたのが、現在のセンターです。その後、2017年の改組により人文公共学府のセンターとなりました。

地域研究センターは、それぞれの地域を統合した活動体ととらえ、特定の研究分野からではなく、学際的な視点から総合的にとらえ、その地域の人文社会科学的な特徴を分析するることを目的としています。特にその地域に居住する諸民族の伝統的な文化・社会構造と、その現代化・グローバル化による変容をとらえ、それを客観的に記述するだけでなく、そこで起こるさまざまな問題の解決に研究者自身が取り組んでいくことで、人文社会科学の社会貢献への道を開拓していくことを目指しています。対象とする地域としては、千葉大学の地理的位置とこれまでの研究の蓄積の上に、千葉大学のある房総半島から出発して、それをとりまく日本、極東、ユーラシア東部と拡大していくということで、次の4部門を設置しています。

これらの地域について、文化人類学、言語学、歴史学、民俗学、文学、芸術学、政治学、地理学といったさまざまな分野からの分析を行い、その成果・情報を学際的に交換し合うことによって、個々の研究分野からではとらえきれない問題について新たな解決の視点を創造していこうとするもので、人文科学と社会科学を統合した千葉大学人文公共学府の特色を最大限に発揮した研究集団です。

地域研究センターには専任教員がいるわけではなく、それぞれがさまざまな部局に所属しており、センターに関連する活動も、各々の研究室やそれぞれの活動グループの中で行っておりますが、毎月一回の定例会で教員による事例報告、関連分野の院生による研究発表、人社研研究プロジェクトの報告会などを行っており、その他に随時研究会・シンポジウムなどを開いて研究成果の交換を行っております。また、センターで設置したテーマに学生が応募するという形式の、人文公共学府センター主催型プロジェクトという研究プロジェクトを実施しています。