学府概要

学府長挨拶

学府長挨拶

 千葉大学人文公共学府は、本学府の教育・研究に関心を持って、このwebサイトを訪れてくださったみなさまを心より歓迎いたします。


 2019年に始まった新型コロナウイルスによる感染症の世界的な大流行は、おそらく長期にわたって私たちの社会の記憶として止められることになるでしょう。この感染症の流行は、多くの生命を奪い、また、社会の至るところで様々な矛盾や軋轢を顕在化させました。

 

 わたしたちの人文公共学府は、人文社会科学に基礎を置く大学院です。人文社会科学の研究・教育はこのような社会状況のもとで何ができるのでしょうか? 当然のことながら、わたしたちの研究・教育によって、新型コロナウイルス感染症を制御するためのワクチン・特効薬・医療機器などの開発や、人と人との接触場面を減少させるためのロボット技術の高度化などが直接的に実現できるわけではありません。

 

 では人文社会科学という学問領域は、顕現する社会の混迷を前に手を束ねて途方に暮れるしかない無用の代物なのでしょうか? まず結論を申し上げておけば、私は全く逆に、人文社会科学こそが、混迷の中であるべき社会へ道筋を指し示す最後の拠り所であり、いわば社会の羅針盤としての役割を果たすべきなのだと考えています。あたかも荒れる海原の只中においては、常に襲い来る大波に対処しなければならないのはもちろんですが、同時に羅針盤の指し示す方位を見失ってはならないように、社会が混迷を重ねれば重ねるほど、眼前の困難を超えて実現されねばならないあるべき社会のイメージこそを明確に意識しておかねばならないでしょう。

 

 人文社会科学の目的は、人と人の作ってきた社会・制度・文化をその根底から考察するとともに、その基礎の上に、より公正で多様性の保障された〈生きやすい〉社会を展望することだと思います。だとすれば、私たちはどのような過酷な状況にあろうとも、人文社会科学における研究の営みを止めてはならないでしょう。そして私たちは、このような人文社会科学研究への志を共有するすべてのみなさまと協働していきたいと願っています。

                 2021年5月 人文公共学府長 山田 賢



山田 賢 人文公共学府長

新入生歓迎の言葉

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